料理を温めたり、時短の調理家電として使ったり、ご飯を用意する上でなにかと役立つ電子レンジ。しかし便利な反面、一歩使い方を間違えると、爆発や発火などを招いてしまう危険性もあります。
当記事では電子レンジで温めてはいけない容器や食品、加熱の際に注意が必要な食品をご紹介します。「そろそろ子どもに電子レンジの使い方を教えようかな」と考えている保護者の方は、ぜひ子どもと一緒にチェックしてみてください。
電子レンジで温めてはいけない容器・食器
まずは電子レンジで使用不可となっている容器・食器をご紹介します。ぜひおうちにある容器や食器と照らし合わせて、子どもと一緒に確認してみましょう。
金属製品
- 缶(缶詰・缶ジュースなど)
- アルミホイル
- ステンレスボウル
- ホーロー容器
- アルミカップの入ったお弁当
- 金属製のスプーン・フォーク など
電子レンジに金属製品を入れると、スパーク(火花)が生じて電子レンジの故障につながります。最悪の場合は発火することも。オーブン・グリル機能での加熱は問題ありませんが、レンジ加熱は絶対にNGです。
耐熱性のないプラスチック容器
- クリスタルガラス
- カットグラス
- 強化ガラス など
ガラス容器は使用できるものとできないものがあります。耐熱性のないガラス容器は電子レンジ加熱で割れる恐れがあるため、使用することができません。また、耐熱性のあるガラス容器も、加熱後に急冷すると割れることがあるため注意が必要です。
耐熱性のないプラスチック容器
- ペットボトル
- 耐熱温度表示が140℃未満の保存容器 など
プラスチック容器もガラス容器同様、使えるものと使えないものがあります。耐熱性のないプラスチック容器は、溶けたり変形したりする恐れがあるため使用不可です。
タッパーなどの保存容器を電子レンジで温める際は底面に記載されている耐熱温度を確認しましょう。耐熱温度表示がないもの、電子レンジが使用できるか不明なものは使わないほうが安全です。
また、耐熱性のあるプラスチック容器の中にはフタだけ耐熱性がないタイプもあります。フタの耐熱温度が140℃未満の場合は、フタの代わりにラップなどで容器を覆って電子レンジに入れましょう。
漆器・竹・木・藤・紙製品
- ニス塗り・漆塗り容器
- 爪楊枝
- 紙皿・紙コップ
- キッチンペーパー など
漆器・竹・木・藤・紙素材の容器・食器は焦げやひび割れなどを起こす恐れがあるため、基本的には電子レンジの使用不可です。
ただ、中には電子レンジで使用できるバガス製の紙皿などもあります。キッチンカーやイベントなどでテイクアウトした容器を温める場合は、容器の素材を確認しておくことが重要です。
(参考資料)
日立「電子レンジに使える容器、使えない容器を知りたいです。」
独立行政法人製品評価技術基盤機構「電子レンジで使用できない容器に注意」
電子レンジで温めてはいけない食品
続いては電子レンジで温めてはいけない食品をご紹介します。
たまご
たまごは圧力がかかって破裂する恐れがあるため、殻付きは絶対に電子レンジで温めてはいけません。殻を割った状態でも、黄身に膜が張っている場合は破裂する恐れがあります。解きほぐしたものは加熱できますが、それ以外はゆでたまごなども含め、電子レンジでの調理を控えましょう。
栗・ぎんなんなど殻付きの食品
栗やぎんなんなどの殻が付いているものは、たまごと同様に電子レンジで加熱すると破裂する恐れがあります。加熱する際は殻を剥いたり、切れ目を入れたりしましょう。
(参考資料)
独立行政法人国民生活センター「ゆで卵を作る電子レンジ調理器で卵が破裂」
独立行政法人製品評価技術基盤機構「調理家電は正しく使いましょう」
電子レンジで加熱する時に注意が必要な食品
食品の多くは電子レンジで温めることができますが、中には加熱する際に注意が必要なものもあります。意外と大人でも「知らなかった!」という食品があるので、しっかり学んで電子レンジでの事故を防ぎましょう。
ソーセージ・たらこ・トマトなど
ソーセージ・たらこ・トマトなど、膜が張っている食べ物は圧力がかかって破裂する恐れがあるため、蒸気の逃げ道を作って加熱するのが鉄則。切れ目を入れたり、穴を開けたりしてから加熱しましょう。
飲み物・スープなど
飲み物やスープなどの液体は、温めすぎると突沸が起きる恐れがあります。突沸とは液体を加熱した際、急激に沸騰が起こり、中身が飛び散る現象です。
電子レンジだけでなく、IHやガス調理などの加熱によっても起こることがありますが、必ず起こる現象ではなく、加熱する食品や調理器具、加熱時間など、条件の組み合わせが重なった場合にのみ起こるとされています。
↓突沸する様子の映像です。大きな音がするため注意してご視聴ください。
水や牛乳などはもちろん、カレーやシチューなど、とろみのある液体も加熱することで突沸を起こす可能性があります。周囲に大人がいない場合は、レトルトタイプも含め、電子レンジでの加熱を控えることをおすすめします。
(参考資料)
独立行政法人国民生活センター「食品加熱時の突沸に注意」
独立行政法人製品評価技術基盤機構「調理家電は正しく使いましょう」
子どもの電子レンジの事故を防ぐには
「ご飯はなるべく温かいものを…」と思うのが親心ですが、やはりおうちで留守番している子どもに電子レンジを使わせるとなると、どうしても事故が起きないかどうか不安になってしまいますよね。
基本的に大人が周りにいない場合は電子レンジを使わせないのが一番ですが、温かいものが恋しくなる冬休みなど、子どもが1人で電子レンジを使うタイミングがある場合は、一体どのようなポイントに注意したらよいのでしょうか。
こまめに掃除をおこなう
電子レンジの事故を防ぐには、兎にも角にもこまめな掃除が大切。庫内やドアに食べ物のカスや汚れが付着していると、それが炭化してスパークが生じる恐れがあります。使用するたびに掃除するのが理想的ですが、難しい場合は最低1週間に1回は電子レンジのお手入れを。
大人と一緒に練習をしておく
子どもに電子レンジを使わせる場合は、事前に保護者の方が使い方を教えておくことも重要です。食品を温める際に一緒に電子レンジを使う、使い方をホワイトボードや紙にメモするなど、子どもがぶっつけ本番で電子レンジを使うことがないように注意しましょう。
10秒ずつ温める
子どもが電子レンジを使う際は、故障や火災だけでなく、火傷をしないように注意することも必要です。長時間の加熱やオート加熱は火傷の恐れがあるため、子どもに電子レンジを使わせる場合は10秒刻みで様子を見ながら加熱させましょう。
電話やテレビ通話で確認しながら使わせる
どうしても心配な場合は、子どもが電子レンジを使う際に電話やテレビ通話で知らせてもらうのがおすすめです。実際にそばで見ることはできませんが、リアルタイムで電子レンジをどう使っているのかが把握できるため、事故を防げる可能性が格段にアップします。
電子レンジの使用で発煙・発火が起きたら?
万が一、電子レンジを使用している最中に発煙・発火などが起こった際は、電源プラグを抜いて様子を見ます。このとき、電子レンジのドアを開けたり、水をかけたりするのは絶対にNGです。
もし子どもが1人で電子レンジを使っていた場合は、電源プラグを抜いてその場を離れ、周囲に助けを求めるように指導しておきましょう。
(参考資料)
独立行政法人製品評価技術基盤機構「調理家電は正しく使いましょう」
まとめ
普段から当たり前のように使っている電子レンジ。思っていた以上に温めてはいけないもの、加熱する際に注意が必要なものが多くありましたが、みなさんは正しく使えていましたか。
子どもが小学生になると、冬休みなどの長期休暇で電子レンジを使うタイミングが出てくるご家庭もあります。万が一の事故を防ぐため、ぜひこの機会に電子レンジの取扱い方を子どもと一緒に学んでみてください。