子どもの成長に必要不可欠な栄養素は、日々の食事でしっかりと与えていきたいものです。
しかし、実は野菜の切り方や調理方法が少し違うだけで、摂れる栄養の量が大きく変わってしまうって知っていました?
今回は栄養を無駄にしない野菜の切り方&調理方法についてご紹介します。
↓野菜は五十音順に紹介しています。ぜひ参考になさってみてくださいね♩
カボチャ
栄養満点のカボチャは、皮・種・ワタも捨てずに調理することがポイント!とくにカボチャの種は果実類の中で最も亜鉛の量が多く、子どもたちにもぜひ食べさせたい部分です。
おすすめは油を使った調理法。カボチャに含まれるβカロテンは油との相性抜群で、種を炒めたり、ワタをハンバーグの肉だねに入れて焼いたりすると吸収率がアップします。
なお、カボチャの種は外側の皮が固いので、天日干ししてカラカラになってから皮を取り除いて食べましょう。
キャベツ
風邪予防や美肌効果が期待できるビタミンCが豊富に含まれているキャベツ。
ただし栄養の大半は外側の葉に集まっているので、食べる際はあまり葉を剥きすぎないようにすることがポイントです。
切り方はザックリと大きめに!千切りにしてしまうとビタミンCが流出しやすくなるので注意してください。
また、ビタミンCは水に溶けやすい性質を持つため、加熱する場合はスープやロールキャベツなど、茹で汁もそのまま飲める料理にしてしまうのがおすすめです◎
ゴボウ
アク抜きが必要と思われがちなゴボウですが、実はアク抜きなしで食べてもOK。
むしろアク抜きをしようと水に浸すと、ゴボウに含まれる“クロロゲン酸”が大量に失われてしまいます。
ゴボウの皮部分には栄養が豊富に含まれているので、食べる際は皮付きのままがおすすめ。土汚れはくしゃくしゃにしたアルミホイルか、スポンジを使って擦り洗いすれば簡単に落ちますよ。
切る時は事前にレンジで加熱しておくと、ポリフェノールを壊す酵素の働きを止めることができます。
そしてカットは大きめに。味が染み込みやすいたたきゴボウにするのもおすすめです。
ジャガイモ
ジャガイモは鍋で茹でるとビタミンCが溶け出しやすいため、レンジで加熱するのがポイント。
皮付きのままラップでくるみ、600wで3分ほど加熱しましょう。
また、ジャガイモの皮にはビタミンB2やマグネシウム、カリウムなどの栄養がたっぷり。食べるなら皮付きのまま調理するのがおすすめです。
ただし、緑色の皮は天然毒素である“ソラニン”や“チャコニン”の含有量が多く、食べると嘔吐や下痢を起こす可能性があるので、必ず取り除いて調理してくださいね。
ダイコン
ダイコンといえばおでんや煮物に使う方も多いかと思いますが、加熱調理は“ジアスターゼ”という酵素の働きを止めてしまうため、栄養素の面で見ればあまりおすすめできません。
食べる場合は生食で、それもすりおろして食べるのがおすすめです。
ダイコンをすりおろした時に発生する辛み成分の“イソチオシアネート”は、生活習慣病の予防に役立ちます。
この辛み成分は時間の経過とともに減ってしまうので、食べる直前にすりおろすように注意しましょう。
タマネギ
タマネギの皮には、カルシウムやマグネシウムなどの栄養素が全体の9割も含まれています。
つまり、皮を剥けば剥くほど、栄養が損なわれてしまうというわけです。
タマネギの皮は最小限の枚数しか剥かないように注意しましょう。
もう1つ気をつけたいのが、タマネギの切り方。タマネギに含まれる辛み成分の“硫化アリル”は、空気に触れることで“アリシン”という成分に変わります。
タマネギを調理する際はなるべく細かくカットして、10~15分ほど空気に触れさせましょう。
ちなみに辛みを抜くために水に浸すのはNG!栄養素が水に溶けてしまうのでご注意を。
トマト
トマトは種にもゼリー部分にも栄養が含まれているので、中身が出てこないようにカットするのがポイント。
コツはヘタを下に向けて置いた時、中心に見える白い線を避けてカットすることです。
白い線の下には種があるので、そこさえ避ければ大丈夫。白い線が見えにくいトマトは、ヘタ側を少しカットして種の位置を確認しましょう。
トマトに含まれるリコピンは、細胞壁を壊すことでより吸収率がアップします。
生食でそのまま食べてもOKですが、しっかり栄養素を摂るならミキサーにかけてトマトジュースにしたり、すり潰してトマトソースにするのがおすすめ。
リコピンは熱に強く、油に溶けやすい性質を持つので、炒め物に加えてもOKですよ♩
ナス
ナスの皮に含まれているポリフェノールの“ナスニン”は水に溶けやすいため、油を使って皮をコーティングしてしまうのがおすすめです。
一方で水を使う場合は、断面積をなるべく減らすことがポイント。アク抜きで水に浸す場合も時間は極力短くするように注意してくださいね。
ニンジン
ニンジンには、皮膚や粘膜の健康に欠かせないβカロテンがたっぷり。
しかしβカロテンが豊富なのはニンジンの外側、つまり皮のほうにあり、内側の栄養価はそこまで高くありません。
そのため、ニンジンを食べる際は皮付きのまま調理するのが◎
まんべんなく栄養素が補えるように、輪切りや乱切りにするのがおすすめです。
加えて、βカロテンは水に溶けにくく、油に溶けやすい性質を持っているので、吸収率を高めるなら油で炒めるのがベスト。
生のまま食べる場合はマヨネーズやバーニャカウダなど、油分の多い調味料を一緒に添えてみて。
ピーマン
子どもにピーマンを食べさせるなら、縦切りが断然おすすめ!繊維に沿って縦切りにしたピーマンは、栄養が流出しにくい上、苦みも抑えられます。
ただ食感はシャキッとするので、生で食べる場合は横切りや輪切りにしたほうが食べやすいかもしれません。
また、ピーマンのワタに含まれている“ピラジン”は血流を促進させる効果があるので、できることならそのまま残しておきたいところ。
ピーマンの肉詰めやチンジャオロースなど、やや味の濃い料理にすると多少苦みを抑えられますよ♩
ブロッコリー
ブロッコリーの房にはがん予防に効果がある“スルフォラファン”が含まれています。
この栄養素を増やすには、下茹でしていないブロッコリーを切った後、4~5分置いて酵素を発生させることがポイント。
なるべく細かく切って、より多くの酵素を発生させましょう。なお、ブロッコリーは茎の部分にも栄養があるので、ぜひ捨てずに薄くスライスして食べてみてくださいね。
加熱する場合はブロッコリーをラップで包み、レンジで蒸すのがおすすめ。1株(200g)あたり、600wで3~4分を目安に加熱しましょう。
ホウレン草
ホウレン草もキャベツやジャガイモ同様、ビタミンCが豊富に含まれています。
しかしアクが強いので、加熱する際は鍋で煮るか、レンジ調理をした後にサッと水にさらしてアク抜きをしましょう。
茹でる場合は包丁で切らず、沸騰したお湯にまず根本だけを入れて30秒ほど茹でます。その後全体をお湯に入れて10~20秒茹で、冷水に浸して食べやすい大きさに切ります。
レンジ調理の場合はラップでホウレン草全体を包み、600wで2分ほど加熱します。加熱が終わったら、冷水に浸して水気を切り、食べやすい大きさに切ります。
レタス
レタスには水に溶けやすいビタミンC、油に溶けやすいβカロテンがWで含まれています。
そのため、どう調理したらいいのか悩まされがちですが、生食の場合は油分の多いドレッシングをプラス、茹でる場合は煮汁ごと飲めるスープにするのがおすすめです。
切り方に関しての注意点はとくにありませんが、切って保存すると断面や芯が赤く変色してしまうため、食べる直前に切ったほうがよいでしょう。
まとめ
今回は野菜の栄養を逃しにくくする切り方&調理方法についてご紹介しました。
全体を通してみると、ほとんどの野菜は皮やワタなど、普段捨てがちな部分に栄養がたっぷり含まれていることがわかりますね。
今まで捨てていた部分を料理に使うのは少々抵抗があるかもしれませんが、子どもたちの健やかな成長のために、ぜひ積極的に取り入れていきたいものです。
とはいえ、料理によっては切り方や加熱方法が合わない場合もありますから、あまり肩の力を入れすぎず、まずはできるところから栄養ロス削減を目指していきましょう♩