「子どもに食育をしたいけれど、何をすればいいのかわからない」と悩んでいませんか?
この記事では、子どもの食育とは何かをわかりやすく解説したうえで、家庭でできる食育の取り組み例や子どもへの伝え方、食育を行うときに気をつけたいことを紹介します。
子どもの食育とは?
子どもの食育とは、大きくなってからも心身ともに健康で質の高い生活を送るために、子どもが自ら健全な食生活を実現・管理していく力を育てることです。
厚生労働省の資料では、食育の目標を「食を営む力」の基礎を培うこととしています。また、その目標に向かって成長していく子どもの姿として、次の5つが挙げられています。
| 目指す子どもの姿 | どんな姿? |
|---|---|
| お腹がすくリズムのもてる子ども | お腹がすいたと感じて、規則正しく食事をする |
| 食べたいもの、好きなものが増える子ども | さまざまな食べ物に興味を持ち、食べられるものを増やしていく |
| 一緒に食べたい人がいる子ども | 家族や友達などと一緒に食べる楽しさを感じる |
| 食事づくり、準備にかかわる子ども | 食事の準備や料理などに興味を持ち、できることに取り組む |
| 食べものを話題にする子ども | 食材や料理について興味を持ち、食べ物について話す |
この5つを見ると、子どもの食育は「栄養について覚えること」だけではないとわかります。
食べることを楽しむ、食べ物に興味を持つ、食事づくりに関わるなど、日々の生活そのものが食育につながるといえるでしょう。
なお、食育そのものの定義や「3つの柱」「5つの力」「6つの視点」など、より詳しい考え方については、「食育とは?意味や目的を解説!家庭で子どもとできる食育も紹介」で解説しています。こちらもぜひあわせて参考にしてみてください。
(参考資料)
厚生労働省「『楽しく食べる子どもに~保育所における食育に関する指針~』(概要)」
家庭でできる子どもの食育アイデア10選
子どもの食育は特別な教材や道具を用意しなくても、普段の生活の中で始められます。
ここでは、家庭で取り入れやすい食育を「食材」「料理」「季節」「食文化」などのテーマ別に紹介します。
子どもが興味を持っていることや、親子で楽しめそうなものから取り入れてみましょう。
①食材に触れてみる
子どもの食育の中でもとくに実践しやすいのが、野菜や果物などの食材を実際に見たり触ったりすることです。
色や形、硬さ、香りなどを親子で観察しながら、「どんなにおいがする?」「触るとどんな感じ?」などと話してみましょう。
食材に直接触れることで、食べ物への興味や関心を持つきっかけになります。普段は料理された状態でしか見ない食材も、調理前の姿を知ることで、食べ物をより身近に感じられるでしょう。
②一緒に買い物をする
スーパーや八百屋などへの買い物も、身近な食育の機会です。
売り場に並んでいる野菜や果物を見ながら、「これは何の野菜かな?」「どこで作られたのかな?」など、食べ物について会話してみましょう。
子どもに買うものを選んでもらったり、旬の食材を探してもらったりするのもおすすめです。買い物を通して、食材の名前や特徴、産地、旬などに興味を持つきっかけになります。
また、子ども自身に買い物に参加してもらうことで、「自分で選んだ」という経験にもつながります。買い物を楽しみながら、食べ物を選ぶ視点を少しずつ身につけていけるでしょう。
③料理や食事の準備をする
料理や食事の準備に参加することも、家庭で取り入れやすい食育です。
食材を洗う、混ぜる、盛り付ける、配膳するなど、子どもの年齢や様子に合わせてできることを任せてみましょう。
料理に関わることで、食材の名前や調理方法を知るだけでなく、「自分で作ったものを食べる」という体験もできます。食事を作る人の工夫や手間を知るきっかけにもなるでしょう。
「何を作ろうか」「どんな味になるかな?」と親子で話しながら取り組めば、食への興味をさらに広げやすくなります。
④食べ物を育てる
ベランダや庭などで、野菜やハーブを育ててみるのもおすすめ。
種や苗から育て、毎日少しずつ変化していく様子を見ることで、食べ物がどのように育つのかを学べます。
収穫した野菜を料理に使えば、「育てる→収穫する→食べる」という一連の体験にも。
プランターなどを使えば、広い庭がなくても始められますよ。
⑤旬や季節の食材を楽しむ
「今の季節は何が旬かな?」と、季節の食材を探してみるのも身近な食育です。
スーパーで旬の野菜や果物を探したり、食卓に出した食材について話したりするだけでも構いません。
旬の食材に触れることで、食べ物と季節のつながりを感じやすくなります。
また、「春は何を食べる?」「夏においしい野菜は?」などと話を広げれば、食への興味や季節感を育むきっかけにもなるでしょう。
⑥行事食や郷土料理を楽しむ
お正月のおせち料理や節分の豆、ひな祭りのちらし寿司など、季節の行事に合わせた料理を楽しむことも食育になります。
「どうしてこの料理を食べるのかな?」と由来を調べたり、料理に込められた意味を話したりすることで、食べ物を通して日本の文化や風習に触れられます。
また、地域によって異なる郷土料理を調べてみるのもよいでしょう。
普段の食事から少し視点を広げ、食文化に興味を持つきっかけになります。
⑦食べ物の絵本や図鑑を読む
食べ物が登場する絵本や図鑑を親子で読むのも、手軽にできる食育です。
野菜や果物、料理、魚、農業など、子どもの興味に合わせて選んでみましょう。
絵本や図鑑なら、まだ実際に体験することが難しい内容にも触れられます。
「この野菜、昨日食べたね」「この魚はどこでとれるのかな?」など、実際の食事や体験と結びつけると、食への関心をさらに広げやすくなります。
⑧食べ物について一緒に調べる
子どもから「どうしてトマトは赤いの?」「お米はどうやってできるの?」などの疑問が出たら食育のチャンス。ぜひ親子で一緒に調べてみましょう。
すぐに答えを教えるのではなく、「どうしてだと思う?」と子どもの考えを聞いてから調べるのもおすすめです。
疑問をきっかけに調べる経験を重ねることで、食べ物への興味だけでなく、自分で知ろうとする姿勢にもつながります。
⑨食品ロスについて考える
食べ残しや賞味期限、食材の保存方法などをきっかけに、食品ロスについて考えてみるのも食育の一つです。
たとえば、「どうしたら食べ物を無駄にしないかな?」と親子で考えたり、冷蔵庫にある食材を使ったメニューを一緒に考えたりする方法があります。
食品ロスについて考えることは、食べ物を大切にする気持ちや、食卓に届くまでの過程に目を向けるきっかけになります。
難しい言葉を覚えることよりも、身近な食べ物を大切にするところから始めてみましょう。
⑩食に関する遊びや体験をする
食べ物をテーマにした遊びや体験を取り入れるのもおすすめです。
例えば野菜のスタンプ遊びや小麦粉粘土のように身近な食材を使って遊んだり、食をテーマにしたアプリやカードゲームを活用したりする方法があります。
遊びを通して食べ物に触れることで、「食べる」以外の角度から食に興味を持つきっかけになります。
とくにまだ料理や調理が難しい年齢の子どもでも取り組みやすいのがメリットです。
「遊びだから食育にならない」と考える必要はありません。子どもが楽しみながら食べ物に興味を持つことも、食育の大切な一歩です。
子どもへわかりやすく食育を伝えるためのポイント
食育は知識をたくさん教えればよいわけではありません。子ども自身が「知りたい」「やってみたい」と思えるような関わり方をすることが大切です。
とくに小さな子どもは、難しい説明を聞くだけでは食べ物への興味を持ちにくいこともあります。子どもの年齢や興味に合わせて、会話や体験を取り入れながら伝えていきましょう。
子どもが理解できる言葉で伝える
食育について伝えるときは、子どもが理解できる言葉に置き換えることが大切です。
「ビタミン」「食品ロス」「産地」など、大人にとっては当たり前の言葉でも、子どもには難しい場合があります。
食育を身近なものとして受け止めやすくさせるためにも、まずは子どもの理解度に合わせて言葉を選びながら伝えていきましょう。
一度にたくさん教えようとしない
一度に多くの知識を教えようとせず、一つのテーマから少しずつ広げていくことも、食育をわかりやすく伝えるコツです。
情報を詰め込みすぎると、子どもにとって「食育=勉強」のようになり、食べ物への興味を持ちにくくなることがあります。
例えば旬の野菜について話すなら、まずは「今は春だから、この野菜がおいしいんだって」と伝えるだけでもOK。
子どもが興味を示したら、「どこで育つの?」「どうやって食べる?」と話を広げていきます。
その日の子どもの反応に合わせて、少しずつ知識を増やしていきましょう。
実物を見せながら伝える
食育について説明するときは、言葉だけで伝えるよりも、実物を見たり触ったりしながら伝えるのがおすすめです。
実物をきっかけに会話をすると、食材への興味も自然に広がります。
難しい説明をするよりも、まずは「見て・触って・感じる」ことから始めてみましょう。
「どう思う?」と子どもの考えを聞く
食育では大人が答えを教えるだけでなく、子ども自身の考えを聞くことも大切です。
自分で考える機会があると、食べ物についてより主体的に向き合いやすくなります。
子どもの答えが大人の考えと違っていても、まずは「そう思ったんだね」と受け止めてみてください。
会話を楽しみながら考えること自体が食育につながりますよ。
正解をすぐに教えない
子どもが疑問を持ったときは、すぐに正解を教えるのではなく、ぜひ一緒に考えたり調べたりしましょう。
自分で考えて答えを探す経験が、食べ物への興味を深めるきっかけになるからです。
例えば「この魚はどこでとれるの?」と聞かれたら、「どこだと思う?」と返してみましょう。そのうえで図鑑や本などを使って、一緒に答えを探してみるのもおすすめです。
もちろん、子どもがすぐに答えを知りたがっているときは、教えてあげても問題ありません。
大切なのは、いつでも正解を覚えさせることではなく、食べ物について「知りたい」と思う気持ちを重視することです。
子どもの食育に関するQ&A
最後に、子どもの食育でよくある疑問をQ&A形式でご紹介します。
Q. 子どもの食育は何歳からできる?
子どもの食育は0歳から始められます。ただし、子どもの発達や興味によってできることは異なります。
年齢に合わせた食育例については「食育は何歳から?年齢に合わせたおすすめ食育アイデアも紹介」で詳しく紹介しています。こちらもぜひあわせて参考にしてみてください。
Q. 子どもに食育するなら教材があったほうがいい?
普段の買い物や食事、料理なども食育の機会になるため、絶対に教材を用意する必要はありません。
一方で、食について体系的に学ばせたい場合や、子どもが楽しみながら取り組めるきっかけを作りたい場合は、食育教材を活用するのもおすすめです。
子どもの年齢や興味に合ったものを選ぶと、家庭での食育を始めるきっかけにもなります。
Q. 保育園では子どもにどんな食育をしている?
保育園では食事の時間だけでなく、野菜の栽培や収穫、調理実習など、さまざまな体験を通して食育が行われています。
家庭での食育でも、こうした体験を参考にしながら子どもが楽しめる範囲で取り入れてみるとよいでしょう。
Q. 小学生にはどんな食育をしたらいい?
小学生には、食材や食事について「知る」だけでなく、「なぜだろう?」と考える機会を作るのがおすすめです。
旬や産地、栄養、食品表示、食品ロス、食文化など、子どもの興味に合わせてテーマを広げてみましょう。
食に関する疑問を親子で調べたり、自由研究のテーマにしたりするのも食育につながります。
子どもの食育は身近なところから始めよう
子どもの食育とは、食べ物に興味を持ち、食べることを楽しみながら、食に関する知識や習慣を身につけていくことです。
特別な教材や知識がなくても、毎日の食事や買い物、料理など、身近な体験を通して始められます。
まずは「一緒に野菜を選ぶ」「食材について話す」など、家庭でできることから取り入れてみましょう。
親子で楽しむ時間が、子どもの食育につながります。

